紫外線を浴びるとシミの原因が肌に蓄積されるということはご存じですよね。
シミのもとはメラニンという色素成分で、いまは白い肌でも、実は肌の奥にはたくさんのシミ予備軍が潜んでいるといわれ、ある程度年齢を重ねるとシミが一気に現れたりすることもあるようです。
紫外線を必要以上に浴び過ぎると、紫外線ダメージから肌内部を保護するために、メラノサイト(色素細胞)がメラニン(色素成分)を生成します。
メラニンは肌のターンオーバーによって体外に排出されるようになっていますが、加齢やストレスなどの影響でターンオーバーが乱れるとメラニンが排出されにくくなり、肌に定着しシミになってしまいます。
シミにはいくつかの種類があります。
老人性色素斑、肝斑、炎症後に色素が沈着したもの、脂漏性角化症、光線性花弁状色素斑などがあります。
また、妊娠や経口避妊薬などホルモンバランスの影響で濃くなったりするシミもあります。
そんなシミをしっかりケアしていくためには、シミができるメカニズムやシミの種類についての知識を持ち、自分の肌に合ったケア方法を選択していく必要があります。
できたシミへの対処法
吹き出物などの肌荒れと違って、シミは肌内部に色素が沈着しているため、一度できるとなかなか治りにくいものです。
まずは、これ以上シミができないように予防することも大事です。
できてしまったシミは、下記に紹介するケア方法を地道に実践していきましょう。
スキンケア化粧品
厚生労働省が認めている美白成分を配合しているスキンケア化粧品は、シミのケアに有効です。
美白成分はメラニンの生成を抑えたり、日焼けによるシミやそばかすができるのを妨げたりする働きがあります。
近年は市販の美白化粧品に配合される美白成分の研究が進み、画期的な美白成分や濃度の高いものを配合する技術が開発されているので、効果が期待できます。
また、より高い効果を求める方は、美容皮膚科やクリニックで外用剤を処方してもらうことをおすすめします。
医師が処方するものは市販の美白化粧品よりもさらにシミへの効果が強い成分が配合されていますので、医師や薬剤師の説明に従って正しく使用しましょう。
- トラネキサム酸
- 肝班の治療薬の成分として有名。酵素チロシナーゼを分解する。
- アルブチン
- メラニン生成時に働く酵素チロシナーゼの活性を抑える。
- コウジ酸
- コウジ菌由来の美白成分。チロシナーゼの活性を抑制する。
- リノール酸
- ベニバナ油から抽出された美白成分。チロシナーゼの量を減少させる。
- エラグ酸
- イチゴやブラックベリーに含まれる美白成分。抗酸化作用がある。
- プラセンタエキス
- 動物の胎盤から抽出される成分。メラニンの生成を抑制し、代謝を促進する。
- ビタミンC誘導隊
- ビタミンCを安定化させ皮膚に浸透させる。メラニンを還元し、活性酸素を抑制する。
- 4MSK
- メラニンの働きを抑え、ターンオーバーを改善し、メラニンの排出を促す。
- カモミラET
- カモミールから抽出される成分。情報伝達物質エンドセリンの働きを抑える。
- t-シクロアミノ酸誘導体(t.AMCHA)
- 情報伝達物質プロスタグランジを抑制する。
- ハイドロキノン
- お肌の漂白剤ともいわれる美白成分。メラニンに作用してシミを薄くし、シミを予防する。
- レチノイン酸
- ターンオーバーを促し、メラニンの排出を促進する。
サプリメント
サプリメントに配合されている有用成分を飲むことで、カラダの内側からシミの原因に働きかけることができます。
メラニンの生成を抑制し、メラニンの排出を促す作用のある「L-システイン」や「アスコルビン酸(ビタミンC)」を配合したサプリがおすすめです。
シミ対策サプリメントは、飲み続けることで確かな効果が期待できます。
ピーリング
ピーリングもシミのケアに有効です。
ピーリングによって、シミの原因となる古い角質をはがし取られるので、色素沈着しているメラニンを取り除くことができます。
自宅でセルフピーリングしたい場合は、市販の化粧品でもピーリング効果のあるジェルやローションを活用しましょう。
美容皮膚科でならレーザーで行うピーリングや、特別な薬品を使用するケミカルピーリングなどいくつかの方法を選ぶことができますが、保険適用外の処置なので費用が高額になりがちなので注意が必要です。
医薬品
シミを早く治すためには、カラダの内側からと外側からのアプローチが有効です。
美白有効成分を皮膚の外から塗るケアを続けながら、内服薬をのむことで、より早くシミを改善することができるでしょう。
- ビタミンC(シナール)
- 抗酸化作用がある。ビタミンEとの相乗効果が高い。
- トラネキサム酸(トランサミン)
- プラスミンという物質の伝達経路をブロックし、シミの生成を防ぐ。
- ビタミンE(ユベラ)
- 抗酸化作用がある。ビタミンCとの相乗効果が高い。
- L-システイン(ハイチオール)
- メラニン生成をブロックし、ターンオーバーを促進する。ビタミンCとの相乗効果が高い。
美容医療
美容皮膚科やクリニックなどでは、レーザーや医療用パルスライトによるシミ治療を受けることもできます。
シミにレーザーやパルスライトを照射し、熱によりメラニン=シミを破壊する治療法です。
美白化粧品やサプリメント、内服薬などと比べるとかなり速くシミが薄くなりますが、保険適用外の処置なので事前に費用を確認してから受けましょう。
消せるシミ、消せないシミ
シミにはいろいろな種類があるとご紹介しましたが、実は毎日のケアによって薄くすることができるシミもあれば、消せないシミもあります。
できたばかりのシミは比較的消しやすいので、見つけたら早めの対策をおすすめします。
肝斑やニキビの炎症跡がシミになっている場合も、地道なケアが有効です。
また、今できているシミは1種類だけとは限りません。
消えにくいシミがある場合は、ケア方法や治療方法を変えたりしてみましょう。
一方、セルフケアでは消せないシミもあります。
何年も前にあらわれ、何もケアしてこなかったシミは非常に消えにくい状態です。
また、いわゆる一般的なシミである老人性色素斑も、その部分の肌が分厚くザラついている場合はセルフケアではほぼ消せないと考えてください。
さらに、肌の奥の真皮にメラニン色素があらわれるADM(後天性真皮メラノサイト)も肝斑やアザのように見えますが、特殊なレーザー治療でないと治せません。
どんなケアをしても効果がないときは、このような消せないシミかもしれません。
気になる方は、美容皮膚科などを受診しましょう。
そして何よりも大切なのが、これ以上シミが増えないよう予防すること!
季節を問わず、紫外線対策を万全にしておきましょう。
シミ体質チェックと改善法
シミができやすい体質の人もいれば、そうでない人もいます。
以下のリストのうち、自分に当てはまる項目はいくつありますか?
- 色白である
- 肌が乾燥してカサカサしやすい
- 「顔色が悪い」とよく人に言われる
- 日中、屋外で仕事など活動することが多い
- 外でするスポーツが趣味(ランニング、テニスなど)
- 睡眠不足
- ストレスが多い方だと思う
- スイーツや炭水化物が好き
- 揚げ物や中華など脂っこい料理が好き
- あまり運動しない
チェックの数が多い人ほど、シミができやすい体質です。
あなたのシミ体質度をチェックはどうでしたか?
シミができやすい体質の人は、美白成分を配合したサプリメントや美白化粧品でのケア、シミをできにくくする食事や生活習慣に気をつけて、シミをできにくくするよう工夫しましょう。
シミのケアに効くツボ押し
肌の代謝が低下し、ターンオーバーが乱れることもシミの原因です。
東洋医学の治療法のひとつであるツボ押しは、血のめぐりを改善するという点で、シミ改善にも効果的だといえます。
ちょっと時間があるときなどに、ググッとツボを押してみてくださいね。
攅竹(さんちく)
眉頭にあるツボ。アンチエイジングに効果的!
睛明(せいめい)
目頭のくぼみにあるツボ。
顔全体の血流促進に効果的。
顴りょう(かんりょう)
頬骨の下をなぞってみて、少し凹んでいるところがツボ。
人差し指の腹で頬骨を押し上げるような気持ちで押す。
新陳代謝を整えるので、シミやハリにも効果的。
太陽(たいよう)
目尻と眉尻を結んだ線の中央から、指1本分外側にあるツボ。
人差し指で押し込む。
代謝を高めてシミを改善に導く。
承漿(しょうしょう)
下唇の中央から指1本分下にあるツボ。
顔全体のめぐりを促進し、色素沈着やシミ、乾燥、肌荒れに効果的。
美白に効く食べ物
カラダもそうですが、美しい肌も毎日食べるものからできています。
だからこそ、シミ対策も食事が大事。
シミの改善や美白に効く栄養素が豊富な食べ物をご紹介します。
- 赤ピーマン、レモン、ゆずなど
- ビタミンCが豊富な食材。抗酸化作用が高く、メラニンの生成を抑える。
- トマト、ピーマンなど
- 高い抗酸化力を持つリコピンを含む食材。代謝を高めメラニンの排出を促進する。
- 大豆、はちみつなど
- 肌のターンオーバーを正常化する作用のあるL-システインが豊富な食材。代謝を高めメラニンの排出を促進する。
- 牛レバー、豚レバーなど
- ビタミンB2が豊富な食材。代謝を高めターンオーバーを正常化し、メラニンの排出を促す。
- 鮭、いくらなど
- 抗酸化作用の強いアスタキサンチンを多く含む食材。ダメージを修復し、メラニンを抑える。
- ザクロ、ベリーなど
- 抗酸化作用の強いエラグサンを多く含む食材。肌細胞の老化やメラニンの働きを抑制する。